ミヤコシ事例レポート001

軟包装印刷をオフセットで溶剤レスに。
そして間欠式でシリンダーレスに。



お客様:四国加工株式会社様

機種
軟包装用間欠オフセット印刷機「VAR18」
キーワード
軟包装・パッケージ関連

導入背景

オフセット印刷機の導入は「労働環境の改善である」

四国化工株式会社(香川県、入交正之社長)は、共押出多層フィルムの製造・開発を主軸として食品分野、医療分野、工業分野と幅広い分野の市場に貢献しているフィルムメーカーである。自社で製造をしているフィルムに従来ではグラビア印刷機にて印刷を行ってきた。

同社のVAR18Bの導入は、ミヤコシとしてはグラビア印刷を行ってきた印刷会社様に初めての軟包装用オフセット印刷機の導入であり、世界初の間欠式オフセット方式の軟包装印刷の実用化であった。両社にとって、大きな挑戦であったVAR18Bの導入。その背景はどのようなものであったのか。導入時の入交社長のインタビュー及び導入後のオペレーターの方のインタビューを基にその背景を明らかにしていきたい。

オフセット印刷機の導入について、大きな要素となったのは「労働環境の改善である。」入交社長がこの言葉をインタビューの際に何度も口にされていた。オフセット印刷方式は印刷時に有機溶剤を使用しないクリーンな方式であり、VOC対策が不要の印刷機である。今までのインキが揮発物質であるがための防爆対応、工場内外に発生する溶剤臭がない環境を作ることが出来る。実際に、同社でもVAR18Bは製袋機が設置されているクリーンルームで稼動している。

VAR18Bは右側白の印刷機

入交社長は「私自身も入社当時から気になっていたグラビア印刷の有機溶剤臭を解消したいと考えていた。VAR18Bの導入で社員に有機溶剤から脱却してもらえるような労働環境が与えられる。社員、そして社員の家族も喜んでくれると思う」とコメントされ、小ロット対応等の製造的な課題のクリアよりも労働環境改善等の人的な要素が導入の要素であったと強調されていた。

労働環境についてはもう一つ改善された点がある。それはVAR18Bの最大の特徴である間欠式オフセット方式であるがための重労働作業からの開放である。VAR18Bはセット替え時にシリンダー交換が不要で、PS版(薄いアルミ材)のみの交換で良い。男性でも重く危険であった作業が女性でも安心して出来るようになっている。

導入後のオペレーターの方のインタビューでは、「グラビア印刷機は重い版胴の交換やインク替えに伴う洗浄作業等で、セット替えに時間が掛かり非常に重労働。その点オフセットは、軽くて薄いPS版を変えるだけなので圧倒的に楽。また色の再現も固定した4原色から作り出すため、基本的にインク交換作業も不要。」と仰っていた。

オフセット間欠方式を活かすには

オフセット印刷の優位点とは

シリンダー交換不要である点は労働環境の改善だけではなくコスト面でも大きなメリットとなる。PS版は外注で製版する際は1色2000円程度、CTP設備を持っていれば500円程度で手に入る。グラビアシリンダーの費用と比べると非常に安価だ。基本的にはPS版は印刷後破棄してしまうので、シリンダーのように保管場所も不要。耐刷力も5-10万枚(最大天地長460mmであれば2.3万~4.6万m)と小中ロットの印刷では十分である。インキの濃度等も版で調整せず、印刷機側で調整できる。交換時間も1色1,2分の作業となり、時間コストについても抑えられる。インキの交換も不要である点を見てもセット替えはオフセット印刷が進んでいる。

オフセット印刷は優位な点も多い技術であるがグラビア印刷機の代替機ではないという点はご留意いただきたい。大ロットについてはやはりグラビア印刷機には敵わない。生産速度は200shot/min(最大天地長時で92m/min程度)であり、ターレット方式は採用していないためオペレーターの方も「大ロットではグラビア印刷機の方がヤレも少なく優位であるが、小ロットについてはオフセットが優位」と仰っていた。
*VAR18Bは連続式に印刷部のカセット入れ替えで200m/minまで対応可能。ご要望によりターレットは搭載可能。

グラビア印刷会社様が導入を足踏みする中、四国化工様がオフセット印刷機の導入をいただいた背景にあるのは四国化工様の製品が特殊なフィルムであったことである。300から800m巻きがメインであり、印刷幅も457mm内に収まる。基材の厚みも多層フィルムであり、厚いものが多い。こういった点において間欠オフセット印刷機の優位点を上手く活かす分野があったとも言える。
*給紙、巻取りの巻径、基材幅等は仕様を変更可能。

同社では現在では幅広い営業展開を開始しており、地産食品のクライアントに採用も決まり、順調な滑り出しを見せている。オペレーターの方も「体調に対する安心がまるで違い、作業者にとってはありがたい。」と満足いただいている様子であった。機械の稼働率、従業員の方の定着率の両方にオフセット印刷機の可能性を感じた。

今後の展望

進化するオフセット印刷技術

ミヤコシは2019年3月に内覧会を実施した。その中で、VAR18Bと同種の間欠オフセット印刷機にて薄物フィルムにも対応できるVPP13WLを参考展示し、PET素材の12μmにまで対応できるようになった。また、水性プライマーを塗布するフレキソユニットを搭載した軟包装用オフセット印刷輪転機MHL13Aも展示し、オフセットインキに適正があったOPPはもちろんのこと、苦手であったPETやナイロン等の基材にインキ密着やラミ強度を確保できたことを示した。

少しずつではあるが、今までの軟包装用のオフセット印刷の弱点を克服し、導入いただける間口を広げている。

同社の事例のようにミヤコシはこれからの何十年を安心できる機械を印刷会社で働く方のために製造し、安全で現代のニーズにあった機械を一台ずつお客様の要望を汲みながら設計し、提供していきたいと考えている。

*機械仕様についてはご要望に合わせて提案させていただいておりますので、本事例の機械仕様については掲載を控えさせていただきます。

お客様プロフィール

会社名:四国化工株式会社様
所在地:〒769-2797 香川県東かがわ市西山516番地1
設立:昭和58年4月11日
代表:代表取締役社長  入交 正之
URL:http://www.shikoku-kakoh.com/index.html

 

守りたい安心 | Clean & Aseptic |
素材の組み合わせや製法次第であらゆる機能を実現
クリーン&アセプティックな高機能性フィルム

私たち四国化工は、皆様が日常生活において身近な「パッケージ」の分野に高機能な多層フィルムを提供しております。近年、パッケージの機能化の要求は強くなっており、いろいろな素材を組み合わせた多層フィルムが増えてきております。当社の多層フィルムは金型内で一度に多層フィルムにすることができる「共押出多層技術」とよばれる特殊な技術によって製造しております。この共押出多層フィルムは、それぞれの分野によって要求される「機能」が異なり、食品分野のパッケージであれば、安全性やガスバリアー性。医療分野であれば安全性に加えて耐熱性や強度。電子部品分野であれば静電気防止性とクリーン性。このように「製品設計での工夫でいくらでも機能を付加できる」という点が、共押出多層フィルムの面白さであり、最大の強みです。私たちは、共押出多層フィルムの無限の可能性を引き出し、新たな「安心」を提案していきます。

※本ページに掲載されている情報は、2019年5月現在のものです。

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