ミヤコシグループは、SDGs(持続可能な開発目標)を踏まえ、社会課題を解決し、持続可能な社会の実現に向けた活動を展開していきます。
SDGs(持続可能な開発目標)とは
SDGs(持続可能な開発目標:Sustainable Development Goals)」とは、2015年9月の国連サミットで採択された、人と地球の未来のために2030年までに解決すべき17の目標です。ミヤコシグループはマテリアリティ(重要課題)への取り組みを通し、SDGsの達成に向けて挑戦していきます。
ミヤコシのマテリアリティ(重要課題)
高度技術、先端技術サービスの提供
製品性能だけでなく環境性能を重視し、印刷物製造環境の安全性・快適性を向上
ミヤコシグループでは幅広い製品カテゴリーにおいて、より環境負荷の少ないモノづくりを実現するための様々なソリューションを提供しています。
市場に対し、プラスティックから紙へといった低環境負荷原材料への代替えを実現する製造設備、製造工程における低公害・低環境負荷物質や省エネルギーに配慮した製造設備等の提供を進めています。地球規模の環境課題が社会問題になる中、環境負荷が少ないパッケージや安全性に優れたパッケージの製造に寄与することで、持続可能な社会発展に貢献していきます。
VPP13WL 軟包装用水なしLED-UV 間欠オフセット印刷機
食品パッケージなどで使用される「軟包装フィルム」をターゲットとした印刷機で、ミヤコシが世界初にして唯一製造している印刷機となります。
特質すべき点は、「環境に優しい印刷機」であることです。
水溶性のインキを採用しており、インキローラーを洗浄する際や製版(印刷する「版」の作成)の工程でも溶剤を使わない完全VOC(※)フリーの機械となっています。
現在、軟包装フィルム印刷の主流であるグラビア印刷の現場では、高品質な印刷を実現する一方で、溶剤を多用する為に印刷現場で働く方々の健康面への影響、労働環境の改善が大きな課題となっています。 ミヤコシでは、VOCフリーのオフセット印刷機が安心安全であること訴求していくことで、軟包装フィルム印刷業界の労働環境の改善に寄与していきたいと考えています。 (※VOC:揮発性を有し、大気中で気体状となる有機化合物の総称)
MFX52S 広幅1300mm 対応水性フレキソ印刷機
ハンバーガーなど食品のラッピングペーパーをターゲットとした印刷機で、この1台で印刷からフィニッシング加工までを高い精度で完結します。
使用するインクは、水性フレキソインクです。 水性インクの一番のメリットは安全性です。食品など人が直接触れる、口にする製品に使われる印刷物では、安全性の確保が最も重要な要素となります。
環境問題や安全規制の厳しい欧米では水性フレキソ印刷は主流になっていますが、高品質が求められる日本国内においては、色の再現性に優れ、耐水性の高い油性インクを採用するケースが多いのが現状です。しかし近年、国際的に環境問題に対するニーズが高まり、日本においても水性フレキソの可能性に注目が集まっています。MFX52Sは、そういった世界的なトレンドを反映させながら、印刷と加工のシステムを1台に集約し、カスタマイズを得意するミヤコシならではの機械となっています。
STO紙ストロー生産機
世界的に深刻化しているマイクロプラスチックごみによる海洋汚染問題、脱プラスチック化が進む中で“紙の加工”を得意とするミヤコシが環境問題への取り組みの一環として開発した機械です。開発コンセプトとして最も重視した点は、「安全である」ことです。
機械及び使用する資材はいずれも世界各国の食品衛生法に準拠している為、安全性は十分に確保されています。紙コップの生産などにも採用されている樹脂製の接着剤を使用してストローの形に成形しており、紙製でありながら耐油・耐水・耐久性にも優れています。
紙ストローは、3R(リデュース/リユース/リサイクル)行動における環境負荷量を従来のプラスチックストローに比べて60%以上削減しており、環境にも優しい製品であることがミヤコシの調査で実証されました。
また、現在流通している紙ストローは輸入が多く、そのほとんどが海外メーカー製の機械でつくられており、使いやすさや耐久性、そしてコストに課題があります。ミヤコシは品質と技術を誇る日本のメーカーとして、安心安全で使いやすい紙ストローの普及に貢献し、環境改善への一助を担いたいと考えております。
<通常のストローと紙ストローのCO2排出量比較>
通常のストロー① | 紙ストロー② | 比較(① – ②) | |
原材料 | ポリプロピレン | 微塗工印刷用紙 | |
質量(g)/本 | 0.6 | 0.6 | 0.000 |
排出係数(g-CO2/g) | 4.679 | 1.800 | ▲2.879 |
CO2排出量(g-CO2)/本 | 2.807 | 1.080 | ▲1.727 |
出所 | 環境省:「3R原単位の算出方法」 | 日本製紙連合会・LCA小委員会:「紙・板紙のライフサイクルにおけるCO2排出量」 |
SB35 角底製袋機
封筒や薬を入れる袋、ショッピングバッグなど、紙製の袋を生産する機械です。
様々なサイズで薄い紙でも袋に成形することができ、高い生産性も兼ね備えています。品質とスピードにこだわるミヤコシの技術が集約された機械です。
ミヤコシでは以前から封筒や薬袋の生産機を手掛けていたものの、近年は特に脱プラスチックの流れが進む中で、様々な業界から“袋の紙化”ニーズが増えています。実際、プラスチックごみの7割以上がレジ袋など包装関係であり、SDGsでも「2025年までに、海洋ごみや富栄養化を含む、特に陸上活動による汚染など、あらゆる種類の海洋汚染を防止し、大幅に削減する」目標を掲げる中、ミヤコシとしても各業界・企業の取り組みに貢献する機械開発を推進します。
環境・資源対策
事業活動および製品ライフサイクルを通し環境負荷低減を目指す
ミヤコシグループでは製品の開発・設計から生産、流通、メンテナンスまで、全ての段階を通じ、全社の各部門においてトータルに環境負荷低減に取り組んでいます。
品質保証における取組
ミヤコシグループでは、ISO9001に基づいて、製品品質の維持向上を図に努めています。また、デジタル印刷機においては、RoHS、REACH、WEEEEへの対応を行うなど、品質管理を通じ、環境負荷軽減に努めるとともにお客様に安心してご利用いただけるものづくり体制を構築しています。
製造段階における環境配慮への取組
社会の持続可能な発展に貢献するため、内部に委員会を設け、全生産工場を通じ、製造段階での環境負荷軽減・環境課題の解決に取り組んでいます。
- 省電力に向けた取り組み
LEDライトの導入のほか、設備のエネルギー効率を高めるため、生産工場の一部で屋根に遮熱塗装を実施しています。 - マテリアルリサイクルへの取り組み
製造工程で発生する、試運転後の用紙や、部品切削後の切子、各種廃材に対し、リサイクル処理を行っています。 - 商品・化学物質の安全確保
事業所で取り扱う化学物質による事故災害リスクの低減や、管理と排出量削減に取り組んでいます。 - PCBの撤廃
PCBやPCBを含む機器について、関連する法律に基づき、適切な廃棄に向けて処理委託を行っています。
オフィスの環境負荷削減への取組
環境配慮に対する従業員の意識向上に向けた取り組みを含め、分別の徹底による廃棄物の削減、業務の見直しによる紙の使用量削減など、さまざまな取り組みを推進しています。
- クールビズ・ウォームビズの実施
ミヤコシグループでは、地球温暖化対策及び節電対策として、「COOL BIZ -クール・ビズ-」と「WORM BIZ -ウォーム・ビズ-」を実施しております。
機器に頼り過ぎず、効率的に働けるように、ノーネクタイなど服装を工夫して、季節に見合った快適なスタイルを呼びかけることにより、冷房設備が消費する電力量の削減に努めています。
事業活動を通じた豊かな社会の実現
事業活動を通じて持続的に社会価値と経済価値を生み出す
ミヤコシグループでは、事業活動を通じた豊かな社会の実現にむけ、働き方改革、人材育成に積極的に取り組むとともに、既存事業にとどまらず新製品・新事業の創出の両面において、SDGsの視点を戦略に組み込み、様々な外部パートナーと連携しながら価値創造に取り組んでいます。
働き方変革と人材教育
女性管理職育成や、男性育児休業取得促進等、性別を問わず平等に、出産や育児・介護をしながら仕事を続けることができるよう全社員が活躍できる働きがいのある職場環境づくりに努めています。また、社員研修や社員教育を通じ、従業員の自己開発及び能力向上を支援し、社会性・人間力を高める活動を実施しています。
地域交流と産業発展への取り組み
地元小学生の企業見学への参画、地元採用やAターン中途採用など就業体験と機会を積極的に提供しています。また、開発部門では地域の企業や団体との共同研究等にも積極的に取り組んでいます。
- 地域貢献への取り組み
「大仙市ふるさと博士」事業(大仙市教育委員会) - 航空機産業への協力
秋田県試作組合を通して航空機に使用されている様々な装置の電動化を目指し、新型電動機の試作に協力。 - AI搭載印刷機の開発
業界包括的プロジェクトチームを立ち上げグローバル・パートナーシップを活性化。AI搭載により損紙の低減化につながる。 - 省水力発電設備の開発
秋田県の用水路の水を利用した省水力発電設備の開発事業に貢献。