当社が特に強いのが「ビジネスフォーム」と言われる印刷物を作る機械で、業界トップシェアを誇っています。具体的には伝票や明細書などのシンプルなものから、圧着はがき、複写配送伝票、偽造防止カード、宝くじ、船券・馬券、窓付き封筒などです。これだけ聞いても「ふーん」と思うだけかもしれませんが、たとえば複写式伝票(宅配便の伝票)を思い出してみてください。会社によって仕様は微妙に違うのですが、あれは複数枚の紙がセットになっています。めくりやすいように幅が微妙に異なっており、一番最後はシールになっていて、左側が糊付けで綴じられ、切り離すためのミシン目と、ファイルするためのパンチ穴が入り、場合によってはレシートを差し挟めるポケットが付いています。しかも、各営業所に届くまでは上下に繋がっていて、プリンターで文字や番号が印字できるよう、右側も綴じられミシン目が入っているのです。こうした複雑な伝票が会社ごとに何種類もあって、しかも度々仕様が変わる。 新聞・雑誌やチラシのように、まったく同じものを何十万〜何百万と刷るのであれば巨大な輪転印刷機を超高速で回せばいいのですが、重ねて、折って、綴じて、切り抜いて……という複数の工程を経るものをある程度のロットで作るとなると、オーダーメイドの機械が必要になります。ほかにも、複雑な形に折り込まれていたり、返信用のはがきや封筒がついているもの、微妙な強度に糊付けされていて中にお知らせが印刷されているもの、一見すると一枚の用紙なのに一部違う素材になっているもの……等々、普段何気なく手にしている印刷物が、どんな工程で作られているか想像してみると面白いかもしれません。そして、そこには当社が作った印刷機械が関わっている可能性が高いです。